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お葬式のマナー

東海林のり子/木野島光美 共著「失敗しないお葬式」

お葬式に参列する時には、様々なマナーがあります。
大切なことは、亡くなった方の冥福をお祈りする気持ちです。
訪れてしまったその時のために、基本的なマナーを覚えておきましょう。


(※東海林のり子/木野島光美 共著「失敗しないお葬式」より抜粋)



木野島光美の“女性のためのお葬式のマナー”「葬祭流儀」にて連載中

一般弔問客の装い

以前は、通夜は平服でもよいとされていましたが、最近では通夜であっても喪服を着用します。
知らせを受けたらすぐに喪服を用意して、シワや虫食いなどがないかチェックしましょう。準備が整わない場合には、次の装いを参考にして、喪服に準じる装いをします。
女性の場合、アクセサリーやお化粧などにも注意が必要です。

男性

黒か地味な色無地、縞のダークスーツに、白ワイシャツ、黒ネクタイを着用。靴下、靴も黒。ポケットチーフ、タイピンはしません。
黒ネクタイがない場合、最近ではコンビニエンスストアでも購入できますし、葬儀会館やセレモニーホールで販売しているケースも多くなってきました。

女性

一般的な喪服のアンサンブルもしくは、スーツを着用します。スーツなどがない場合、黒いブラウスとスカートの組み合わせでもよいでしょう。夏場であっても、透けた素材やノースリーブなど肌を露出する服装は失礼にあたります。ストッキングは黒。靴、バッグは黒か地味な色で光沢、金具のないものを。サンダルやミュールは厳禁です。
アクセサリーを身につけるのであれば、真珠か、オニキスなどの黒い石の一連のネックレス、シンプルなデザインの一粒のイヤリングなどです。弔事の場合、二連のネックレスは不幸が「重なる」ともとられますので、タブー。またその他のアクセサリーは結婚指輪以外身につけないのが基本。スカーフなどの小物も、派手な色のものならはずします。
濃い口紅やマニキュアも避け、身だしなみ程度の薄化粧で。
パンツスーツも時代では礼装に「準ずるもの」と考えられるようになりましたが、やはり「正装」はスカートとなります。
冬場のお葬式にはコートが欠かせませんが、できれば黒や紺、茶系、グレーなど、地味な色を着用します。気をつけたいのが毛皮や革のコート。これらは殺生をイメージするので、弔事の場合、不適切なものとされています。

子ども

中学生、高校生であれば、制服を着用します。学校の制服がない場合や、もっと年少の場合には、男の子なら地味な色のブレザー、ズボン、白いシャツ。女の子はブレザーとスカート、白いシャツがふさわしい装いとなります。しかし大人と違ってお葬式用の洋服を準備しておくのは難しいので、落ち着いた色合いのカジュアルすぎない洋服であればよいでしょう。


お香典の注意事項

立礼焼香 通夜や告別式に参列する時は、お香典を不祝儀袋に入れて用意します。不祝儀袋の表書きは宗教によって異なりますので、注意が必要です。
本来、文字は薄墨で書きます(涙で墨が薄くなってしまった……を意味します)。文具店で不祝儀用の薄墨の筆ペンが売られていますが、手に入らない時は、黒の筆ペンやサインペンで代用します。
贈り主の名前は表の下半分に書きますが、連名で書く場合には年長者、上位者を右から書きます。人数が多い時はその集まりの名称、たとえば営業部や陶芸の会などの「○○一同」とするか、代表者一名の氏名を書き左側に「他一同」と書き添え、中に全員の名前を書いた紙を入れます。会社名を入れる場合は、少し小さめの字で名前の右側に書きます。
中袋には名前、住所、金額を指定の場所に書きます。金額の数字は漢数字で書くのがよいとされていますが、最近はあまり気にされない方も多いようです。
【漢数字の例……壱・弐・参・四・五・六・七・八・九・拾・百・阡・萬 圓(円)】
お金を中袋に入れた後、表の袋の上下の合わさりがどちらだったかわからなくなってしまうことがあります。不祝儀袋では「弔事では悲しみはうつむく」という意味から下向きに。ちなみに祝儀袋では「慶事では喜びは天を向く」として上向きにします。

仏式

表書きは「御霊前(ごれいぜん)」「御香典(おこうでん)」「御香料(ごこうりょう)」などがあります。「御仏前(ごぶつぜん)」は四十九日以降となりますが、浄土真宗の場合のみ、「即得往生」の教えにより葬儀から使用することもできます。

神式

表書きは「御玉串料(おたまぐしりょう)」「御榊料(おさかきりょう)」「御神前料(ごしんぜんりょう)」があります。不祝儀袋に蓮の模様が描かれているのは仏式用です、蓮柄のないものを選びます。

キリスト教式

カトリック、プロテスタントともに用いられる表書きとして「御花料(おはなりょう)」。またカトリック教会の葬儀には「御ミサ料」となります。水引、のみは不要、キリスト教式用の不祝儀袋を選ぶようにします。

宗教がわからないとき・無宗教

どの葬儀でも共通に使用できるのが「御霊前」。不祝儀袋は蓮の絵柄の入っていないものを選びます。


拝礼の作法

仏式

仏式のお通夜・告別式では、参列者も必ずお焼香が行われます。
お焼香はその香りによって仏前を清めるとともに、香を霊に手向けるものとされています。焼香には「抹香」と「線香」がありますが、最近のお葬式では抹香をたく場合が多く、ここでは、もっとも一般的な立礼焼香の作法をみてみましょう。

立礼焼香 ① 香台の少し手前で喪主を中心に遺族に一礼(僧侶に一礼をする場合も)。数珠は左手に。そして焼香台の前に進み遺影を仰いで合掌、一礼。
② 抹香を右手の親指と人差し指、中指の3本でつまみ、軽く頭を下げて、抹香を目の高さにささげる(浄土真宗を除く)。
③ 抹香を香炉に落としてくべる。
④ ふたたび遺影に向かい、合掌して一礼。正面を向いたまま数歩下がり、遺族に一礼。

これは代表的な作法ですが、お焼香は宗派によっても異なります。特に浄土真宗では、抹香を額にいただかず、つまんだ香をそのまま香炉に落とします。
宗派によって、お焼香の回数も1回から3回あり、また本来は3回行うものでも参列者が多いために1回に心をこめて簡略化することも。みなさんもご経験があるかと思います。その際には、葬儀社や私たち司会者からみなさんにお声をかけています。
宗派やその地方独特のしきたりがあるなど、迷うことも多い焼香作法。それほど堅苦しく考えず、それよりも故人への弔いの気持ちを大切にしてください。

神式

神式の祝儀において、仏式での焼香にあたるものが、玉串奉奠(たまぐしほうてん)です。
玉串とは榊の小枝に紙垂(しで)(四手(しで))をつけたもので、玉串奉奠には玉串に自分の心をのせ、神にささげるという意味がこめられています。

玉串のイメージ ① 祭壇に進んで斎主もしくは神官に一礼し、玉串を受け取る。玉串は根元を右手で上から持ち、左手は下から支え持つ。
② 喪主を中心に遺族に一礼し、案(玉串を載せる台)の前まで進み、玉串を胸の高さに持ち上げたら、左手を根元に、右手を枝先へと持ち変える。
③ 時計(右)回りに回転させ、根元が祭壇に向くよう案(玉串台)に置く。
④ 正面を向いたまま一歩下がり、二礼二拍手。二拍手の際には、音を立てない「しのび手」で。このあと一礼し、数歩下がって遺族、神官に一礼、席に戻る。

玉串奉奠では、玉串は水平に保つこと、二拍手の際、音を立てないしのび手であることが大切なポイントとなります。

神式でのお葬式は、国内で行われている葬儀の約3パーセントともいわれ、割合からいうととても少なく、ご遺族はもとよりご参列いただいたみなさんも非常に戸惑われます。
そのため神社からいらした斎主や神官さんが、お式の前にご遺族に作法を教えてくださいます。お時間的に難しい場合は、葬儀社、もしくは私どもからお伝えしています。ご参列のみなさんには、受付の際、作法が書かれた紙などが用意されていますので、それに倣って行えばよいでしょう。ただ、紙に書かれた作法の手順はわかりづらいと思います。その際は私ども式典スタッフに、お気軽にお問い合わせください。
お葬式セミナーでは、玉串を実際に手で触れていただき、参加者のみなさんに玉串奉奠、拝礼までの作法を体験いただいています。

キリスト教式

キリスト教ではカトリックとプロテスタントによって、ご葬儀の内容も多少異なりますが、日本のキリスト教式の葬儀では、献花が行われます。  一般的に献花には、白いカーネーションが使われます。

献花 ① お花の部分を右に、右の手のひらは上向き、左手は下向きにして、お花を受け取り、喪主を中心に遺族に一礼。
② ご遺影に向かい、黙礼。
③ 時計(右)回りに花を回転させ、茎を祭壇側に向けて置く。※宗教者の意向により、お花を祭壇(故人)に向けて置く場合もあります。教会の方に確認しましょう。
④ 黙祷、あるいは深く一礼(カトリックの場合、信者は十字を切る)。正面を向いたまま数歩下がり、喪主・遺族に一礼。


無宗教

無宗教葬でも、参列者が故人に対する追悼と弔意を表す形として、献花を行うことが多いですが、無宗教=自由葬という形式でとらえていただき、ご参列をされる方の宗旨宗派に準じ、お数珠をされて献花(献花のあと合掌)をされてもかまいません。